高い鮮度と徹底したフォローで利用が拡大
バスやトラックを集めてネット上で入札を行なう売買仲介サイト「キャブ・オークション」が注目を
集めている。通常の入札会と異なり、出品がバス会社やトラック輸送業者などのユーザーから直接と
いうこと、現物は運行中の車両で鮮度が高いことなどが特徴だ。加えてきめの細かいフォロー体制を
敷いており、利用会員は増加の一途を辿っている。
記録簿、車検付のバス 昨年は120台を成約
中古バスを集めた「キャブ・バスオークション」と、中古トラックの「キャブ・オークション」を
運営するのはキャブステーション(東京都港区、楠木崇延社長)。同社は昭和58年の創業で、
タクシーやバス会社の支援事業を主体に展開してきた。このため、全国に顧客が存在する。
出品側は買取り業者よりも高く売れ、落札側も業販に近い価格で買えるという、市場原理に則った
このシステムは早々にも幅広く認知され、軌道に乗った。 唯一、売買を仲介する同社が、手数料
として出品者から成約金額の1割、バイヤーからは1円も貰わない“買いやすいビジネスモデル”に
設定していたことも好評の要因だった。
「中古バスの売買で価格を提示しているのは当サイトだけ」と、話すのはキャブステーションの
新相彰氏。「当社では価格をきちんと提示して取引の透明化を図っているほか、内見では不具合箇所
やこれから壊れることが予想される箇所など、できる限りの個体情況を説明し、十分納得して買って
もらうことを心掛けている」(新相氏)。
写真だけで購入するバイヤーはまずいないため、売買の成立にはこうしたフォローが絶対に必要と
いう。また、同サイトの出品者の95%は整備記録簿付き。これによって、今後のコストをある程度
算出し、バイヤーにも提示することも行なっている。 さらに、同サイトの掲載車を見ると分かるが
、ほとんどが車検付き。通常、バスはトラックなどと違って人間を運ぶため、一時抹消して売りに
出されるのが通例。これは、仲介者であるキャブステーションによほどの信頼が無ければ実現できない
ことだ。 また出品者に落札まで車両の使用を可能としているのも「何年も運行していた車両が
いきなり寝かされると必ず故障が出、かえって良くない。バスは生モノと同じ」(同)という考えが
あるからだ。
現在、全国には約4000社のバス会社があるといわれ、そのうちの3割以上が同サイトを利用して
いる。予想以上の活発な取引で、昨年は120台が落札された。
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